いわき調査

3月4日、5日に福島県いわき市に堆積岩のサンプリング調査などを行いました。福島第一原子力発電所の基盤と同じ年代の地層(新第三紀)が主なターゲットです。ここの地質は、比較的厚い泥岩と10cm程度の砂岩の互層です。調査中の秀逸露頭は、酸化鉄を含む地下水の差別的な浸透が観察される露頭です。つまり、地表から浸透した酸化性の地下水が上述の泥岩、砂岩の透水性に応じて浸透深さが変わった結果と解釈されます(下の写真)。

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更に別の露頭では、堆積岩中の割れ目に沿って浸透した地下水(赤茶けているので、こちらも酸化鉄を含む地下水と推察されます)が周辺母岩に拡散している様子が観察されました(下の写真)。

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上記のような物質移動がどれくらいの速度で生じているのかについては興味のあるところです。


さて、最大の目的であった砂岩、泥岩のサンプリングは無事完了しました。また、ラッキーなことに、砂岩と泥岩の境界部分もサンプリング出来ました。更に堆積岩の硬岩も比較のためサンプリングしました。

今後、透水係数などの物性値を取得していく予定です。